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地球

【Ⅲ】アクティビティの内容

 アースキーパーズ・トレーニングセンターでの3日間のプログラムは、子どもたちが興味を持続させ、ワクワクドキドキしながら学習していけるようにさまざまな工夫がなされています。プログラムを構成するアクティビティ(個別の活動)は、「知識のアクティビティ」と「体験のアクティビティ」という2つのカテゴリーで構成されています。

(1)知識のアクティビティ
 “K”キー(Knowledge:知識)を獲得するためのアクティビティ

生態系のしくみ(地球上の生命のつながりのしくみ)について、4つの基本的な生態学的概念を学びます。

エネルギーの流れ(Energy flow):モグムシャのつながりモニター

 

 地球のすべての生命の源は太陽のエネルギーです。このエネルギーは植物(太陽モグムシャ)から草食動物(植物モグムシャ)へ、そして肉食動物(動物モグムシャ)へと流れ、すべての生命をつなぎ、支えています。いわゆる食物連鎖(モグムシャのつながり)と呼ばれるものです。子どもたちは、このつながりが正しく機能しているかどうかを見張る役割(モニター)になるトレーニングを受けながら、エネルギーの流れの概念やこれを正常に保つことの重要性を学びます。

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②物質循環(Cycling):スペックの大冒険

 

 すべてのものは、同じ基本の物質(空気、水、土の分子=スペック)からできています。もちろん、ものによってその割合は異なりますが、植物も動物も、岩も、紙もそして私たち自身でさえも。あらゆるものを作り上げているこれらの物質は、太陽のエネルギーの影響を受けて、長い間にこの世をめぐり何度も何度も繰り返し使われています(生物地球化学的循環)。子どもたちは、ガイドブックを使い、3つの物質のスペックの旅をたどりながら、こうした物質の循環の概念を学んでいきます。また、この循環の輪の中にいる人間によって汚染が広がっている現実についても考えてみます

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③相互関係(Interrelationships):つながり調べ

 すべての生き物は、エネルギーの流れと物質の循環を通じて相互につながり影響しあっています。それは、まるで“生命のクモの巣”のようです。子どもたちは、植物や動物になって相互にあるいは太陽、水、空気、土とつながり合っているということを体験しながらこの概念を理解していきます。また、クモの巣の一本に触れると全体が揺れるように、私たち一人ひとりのちょっとした行いが環境全体に大きな影響を及ぼすことも実感します。

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④変化(Change):タイムカプセル

 地球上のすべてのものは、変化し続けています。潮の流れや風向きの変化、大陸や山脈の地形の変化など急激に短時間で起こるものもあれば、ゆっくり時間をかけて進むものもあります。全ての生き物は身を守り、食物や水を手に入れ生き残っていくために形態や習性を変化させながら環境に適応し、今の微妙なつながりを作りだしています。ひとつの場所が、これまでのそれぞれの時代でどのような様子だったかわかるタイムカプセルを掘り出し中身を見ていくことで、変化の概念を理解していきます。また、現在の人間活動がこれからの環境のありようにどんな変化をもたらすかを考えてみます。

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(2)体験のアクティビティ

“E”キー(Experience:体験)を獲得するためのアクティビティ

 感覚を使って、いつもと違う見方ややり方で自然とふれあう体験を通して、地球やそこにある生命に対する愛着を育みます。

①独りになる(Solitude):マジックスポット

 

 いつも身の回りにある人混みや騒音に邪魔されることなく、自然の中で一人の時間を持つための時間です。子どもたちは自分のマジックスポットとして、お気に入りの場所を選びます。毎日ここを訪れ、静かに腰を降ろして自然とふれあいを楽しんだり思索や空想にふけったり、ただ一休みしてボーッとしたり、まさに自然に浸りきるひとときを過ごします。

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②観察する(Observation):アースウォーク

 

 五感を使って自然と直接ふれあいながら、自然と人との素敵な関係を取り戻していく体験です。ストーリー仕立てでテンポよく進む活動を重ねながら、子どもたちの内に、自然とふれあう喜び、自然に対する親近感や畏敬の念、愛情を育みます。

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③発見する(Discovery):E.M.の日記

 

 E.M.は、ユニークなものや新たな、とって置きの場所を求めて自然の中を散策するのが大好きです。また、その時のことを日記や地図に記しています。この日記と地図を使い、E.M.の自然散策での出来事を追体験します。子どもたちは、この体験を通じて普段とは違う目線でゆっくり自然とふれあうひとときを持ちます。

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④浸りきる(Immersion):シーズンズ

 

 他の人の目線や感性を通して身近な自然とふれあう活動です。子どもたちは、二人組になります。リーダー演じる監督が読む台本(E.M.が、ある季節に自然の中を散策した時の話)に合わせ、一方は役者になってその話の中に出てくる季節の様子(匂い、音、感触など)を森から集めた小道具を使いながら再現していきます。もう一方は観客になり、目隠しをし他の感覚をフルに使って再現された様子を味わいます。第二幕では役割を交替します。双方の役割を演じる中で、これまでとは異なるやり方で五感をフルに使って自然と出会っていきます。

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(3)事後指導

教室での継続活動~プログラム終了に向けて~

学校に帰って、子どもたちはトレーニングセンターでの最終日に自分で選んだ課題をやり遂げて、

残り2つの鍵(YとS)を手に入れます。

①“Y”キー(Yourself:自分自身)を獲得するための活動

 

 “Y”キーを手に入れるために子どもたちは環境への影響を少なくする2つのことを行わなければなりません。1つは使うエネルギーを減らすこと。もう1つは使う資源を減らすことです。これらは、少なくとも1ヶ月の内にやり遂げることになっています。さらに、地球やそこに棲む生き物を思いやる気持ちを深めるための体験も2つやってみることが必要です。

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②“S”キー(Sharing:わかちあい)を獲得するための活動

 

 “S”キーを手に入れるために、子どもたちは他の人に知識のアクティビティを2つと体験のアクティビティを2つわかちあわなければなりません。子どもたちが、“S”キーを手に入れるために行う知識と体験のアクティビティは、子どもたちがKとEの鍵を手に入れるためにトレーニングセンターで行ったものを簡略化したもので、簡単な教材と小道具を使って自分でアクティビティが行えるようにデザインされています。

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